資金調達の選択肢と戦略
創業支援シリーズ第3話

資金調達の選択肢と戦略

≪はじめに:私たちの事務所について≫

こんにちは、税理士法人JTS会計です。私たちは、石川県金沢市で創業60年弱の歴史を持つ会計事務所です。3年前に金沢市増泉へ移転し社名も新たに、長年の経験で培った豊富な知見を基盤としながら、最新のクラウド会計ソフトも積極的に活用し、お客様の多様なニーズにお応えしています。日頃の会計業務はもちろん、実績豊富な相続税申告や税務調査対応もお任せください。16のスタッフが、皆様の経営を力強くサポートします。

起業や事業拡大において、資金調達は避けて通れない重要なステップです。潤沢な自己資金があれば理想的ですが、多くの場合、外部からの資金調達を検討する必要があります。しかし、資金調達の方法は多岐にわたり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解した上で、自社の状況や事業計画に最適な方法を選択することが成功への鍵となります。

本日は、創業期や事業拡大期に活用できる代表的な資金調達方法を6ご紹介するとともに、それぞれの戦略や注意点について詳しく解説していきます。

1.創業融資:日本政策金融公庫

新たに事業を始める、または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした融資制度です。担保や保証人が不要な場合もあり、比較的融資を受けやすいのが特徴です。

メリット

  • 無担保・無保証人での融資が可能な場合がある。
  • 低金利で融資を受けられることが多い。
  • 事業計画の策定や経営に関するアドバイスも受けられる。

注意点

  • 審査には事業計画書の提出が必須であり、内容が重要視される。
  • 融資限度額が設定されている。
  • 自己資金の準備が求められる場合がある。

2.創業融資:制度融資

地方自治体、金融機関、信用保証協会が連携して行う融資制度です。自治体によっては金利の一部を補助する制度もあります。

メリット

  • 日本政策金融公庫よりもさらに低金利で融資を受けられる可能性がある。
  • 信用保証協会の保証が付くため、金融機関からの融資が受けやすくなる。

注意点

  • 融資を受けるまでに時間がかかる場合がある。
  • 自治体ごとに融資条件や手続きが異なる。
  • 信用保証料が発生する。

3.補助金・助成金:返済不要の資金調達

国や地方自治体などが、政策目標に合致する事業に対して交付する資金です。原則として返済の必要がないため、積極的に活用したい制度です。

メリット

  • 返済の義務がない。
  • 企業の信用力向上につながる可能性がある。

注意点

  • 審査が厳しく、採択率は低い場合がある。
  • 交付までに時間がかかる。
  • 後払いとなるケースが多い。
  • 事業計画の内容が制度の目的と合致している必要がある。

4.エンジェル投資家:個人の資金と経験を活用

エンジェル投資家とは、創業間もない企業に対して資金を提供するとともに、自身の経験や人脈などを活用して経営を支援する個人の投資家です。

メリット

  • 資金調達だけでなく、経営に関するアドバイスや支援を受けられる。
  • ベンチャーキャピタル(VC)からの投資につながる可能性もある。

注意点

  • 株式の譲渡が必要となる場合が多い。
  • 投資家との相性や考え方の違いが生じる可能性がある。
  • 情報公開や経営への関与を求められることがある。

5.ベンチャーキャピタル(VC):成長資金の獲得

高い成長ポテンシャルを持つ未上場企業に対して投資を行う投資会社です。多額の資金調達が期待できますが、審査は非常に厳しくなります。

メリット

  • 多額の資金調達が可能。
  • 経営戦略や事業拡大に関する専門的なサポートを受けられる。
  • EXIT(株式公開やM&A)による大きなリターンが期待できる。

注意点

  • 株式の過半数の譲渡や経営権の譲渡を求められる場合がある。
  • EXITを前提とした投資であることが多い。
  • 経営への関与が強くなる傾向がある。

6.クラウドファンディング:共感を資金に変える

インターネットを通じて、不特定多数の人々から少額の資金を集める方法です。製品開発の初期段階や、社会貢献性の高い事業などで活用されることが多いです。

メリット

  • 多くの人から共感を得られれば、比較的容易に資金調達が可能。
  • 市場のニーズや顧客の反応を事前に把握できる。
  • 広報効果も期待できる。

注意点

  • 目標金額に達しない場合もある。
  • プロジェクトの進捗状況などを支援者に報告する必要がある。
  • アイデアや情報が模倣されるリスクがある。

図1:主な資金調達方法の比較

資金調達方法返済義務金融機関審査株式譲渡特徴
日本政策金融公庫ありありなし創業期の利用が多い、低金利
制度融資ありありなし自治体と連携、低金利の場合あり
補助金・助成金なしありなし返済不要、政策目標との合致が必要
エンジェル投資家なしなしあり経営支援も期待、個人投資家
ベンチャーキャピタルなしありあり多額の資金、高い成長性が求められる
クラウドファンディングなしなしなし共感を得て少額を多数から調達

自己資金の重要性

どのような資金調達方法を選択するにしても、自己資金の準備は非常に重要です。自己資金が多いほど、金融機関や投資家からの信頼を得やすくなり、融資条件や投資条件が有利になる可能性があります。また、事業に対する経営者の本気度を示す指標ともなります。一般的に、創業融資においては自己資金の1/3以上の準備が目安と言われています。

【弊所の事例】 

金沢市でカフェを営むKさん。2店舗目出店のための資金調達をご相談いただきました。Kさんは1店舗目の経営で着実に利益を出し、自己資金も十分に確保されていました。そこで、商工会議所のマル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)を利用することを提案。金利が低い上に、マル経融資ならではの金利優遇措置も適用され、有利な条件で融資を受けることができました。さらに、2店舗目の内装費用には小規模事業者持続化補助金を併用。これにより、内装費用の4割を補助金でまかなうことに成功しました。Kさんのように自己資金をしっかり準備し、融資と補助金を組み合わせることで、事業拡大を力強く後押しできます。

本日のことわざ: 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」

リスクを恐れずに積極的に資金調達に挑戦することは重要ですが、それぞれの方法のメリット・デメリットをしっかりと理解し、周到な準備を行うことが成功への近道です。

弊所では、石川県金沢市で事業を営む皆様の資金調達に関するご相談を承っております。お客様の事業計画や財務状況を詳しくお伺いし、最適な資金調達方法の選択から、事業計画書の作成、金融機関との交渉まで、トータルでサポートいたします。

お問い合わせは、お電話にてお気軽にご連絡ください。

・この記事を書いたスタッフ

鈴木 伸英

鈴木 伸英

日々の会計業務だけでなく、経営者の想い、会社で働く方々の生活、取引先との関係性などを含めて、“その会社らしい継続・相続” を一緒に考えることを大切にしています。一児のパパで休日は愛犬のポメラニアンと遊んでリフレッシュしています。

会計業務ご依頼、ご相談はJTS会計へお気軽に
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